鉄骨外観検査講習会を開催いたしました
平成27年2月27日(金)午後1時30分から宮崎市霧島町「JA AZM別館」に於いて、当組合青年部会主催、JSCA九州支部宮崎地区会共催による『鉄骨外観検査講習会』が開催された。
<外観検査の理念と定義>
「鉄骨製作・施工に於いて発生する不具合のほとんどは外観検査で検出することができ、超音波検査(UT)などの非破壊検査(NDT)を適用しなければ検出できない不具合は、溶接部の内部欠陥など、全体から見ればごく一部である。あたかもUTさえ行っていれば製品の検査は万全であるかのような風潮は、UTの普及と溶接の品質向上には非常に貢献したが、その結果として構造物の諸性能を確認する数多くの基本的な検査を軽視することにもなった。外観検査とは特殊な検査器具を使わずに目視で判断・判定する、いわゆる人間の五感を用いた検査である。例えば、溶接ゲージを使用して余盛高さを測定する、また、アンダーカットゲージでアンダーカットの深さを測定するという行為は、欠陥が検出されたのちに、それが基準を超えているかどうかが微妙であるときやそのデータに記録する場合に必要とされている行為であって、外観検査とはあくまで目視によって行われる検査と定義されている」(※上級技術者のための建築鉄骨外観検査の手引きより抜粋)>
第1部では、「合否の判定、不良部の発生原因について」として、新日本非破壊検査㈱技術管理部部長 吉永泰久氏に講義頂いた。
第2部では、「合否の判定・測定結果の説明及び手直し方法」として、㈱エフアールアイ・国立 代表取締役 太田隆倢氏に実際の検査時写真を使った説明や、食い違いによる手直し方法についても講義頂いた。
その後、第3部では試験体を使って、実際の検査器具(KZゲージや溶接ゲージ)による測定方法を学んだ。
製作する側が検査する側の要領を良い意味で把握出来ていれば、手直し等が最小限に抑えられる。<外観検査の理念と定義>にもあるように、人間の五感は、時に器具よりも正確であるとの見解であることから、基本的な事を確実に丁寧に行うことが、高品質となる製品を生み出すことになるのではないかと考える。
講習会終了後は宮崎市内に会場を移し、懇親会を開催。実技指導員の方々を含め、34名が参加。製作側と検査側という、ある種相反する業種の交流だけあって、質疑応答では上がらなかった様々な話題が飛び交い、大いに盛り上がっていた。この交流が、今後の鉄骨業界の発展に大きく役立つ事を期待したい。